法律事務所の事務員として働きたいと思っている方へ。実際の仕事内容、年収、必要な資格がよく分からず不安ではありませんか?
初めまして。私は30代、未経験から入所した法律事務所で8年間事務員として働いています。
この仕事を始める前は携帯電話の販売の仕事をしていました。もちろん事務は未経験。
そんな私が今では楽しくやりがいをもって働けています。
法律事務所の事務員というのがどんな仕事なのか?働く前に知りたいことを
- 実際の年収
- 必要な資格があるか
- 弁護士に好印象を与える自己PR
- 実際の仕事内容
- おすすめの求人サイト
この5つについてお伝えします。
弁護士事務所は個人経営のところが多く、事務員が大変な思いをしているところも多いです。
ですがそれ以上に幅広い事務経験を積むことができてお得な仕事だと思っています。
事務経験を積みたいけど、なかなか良い会社が見つからない、という方にもぜひ見ていただきたい内容になっています。
事務員の給料は高くない、待遇も厳しめ
まず最初に、一番気になる年収について。法律事務所の事務員の年収は高くはありません。昇給もほとんど期待できません。
というのも、法律事務所の多くは弁護士が個人で経営しているところが多いからです。
言ってみれば中小企業、零細企業と同じ。人件費に余裕を持てないのです。
いわゆる五大法律事務所のような大きな事務所と比較すると、
- 4年制大学卒でも月収20~25万円、年収250万円前後が相場。地方によってはさらに低いことも。
- 賞与なし・退職金なし・厚生年金未加入の事務所も多い。
- 昇給もほとんどないので、人によっては向上心を持て余す
残念ながら、個人事務所では年収は増えにくいです。福利厚生の面でも厳しい待遇のところが多いと言わざるを得ません。年収以外の面や生活とのバランスなど総合的に判断して、自分に合う事務所を探すことが大切です。
必要な資格はない、法律の知識がなくても働けるけど学んでいく必要がある
次に、気になる資格について。法律事務所というと難しい資格が要りそうですが、事務員として働く場合、特別な資格はいりません。あらかじめ法律の知識を学ぶ必要もありません。
というのも、弁護士秘書・事務員は弁護士が気持ちよく働けるようにサポートする役割だからです。
法律事務(パラリーガル)とよく比べられますが、こちらはより専門的なサポートをするために法律の知識が必要である点で違います。
具体的な仕事内容はたとえば、
- パソコンを使って、WordやExcelに入力する
- 電話応対・来客対応が多い
- 弁護士の作成した書類に不備がないかチェックする
資格よりも臨機応変な対応力や基本的なPCスキルが重視されます。面接時に具体的な仕事内容を確認しておきましょう。余談ですが「事務職員能力認定試験」を受けると得られる事務職員の資格があります。しかし、これは働き始めてから受けるものなので、ここでは紹介しません。
自己PR文には仕事の丁寧さ、思いやりがありそうなエピソードを書く
上で書いたように、法律事務所の事務員として働くときに特別なスキルや資格は必要ありません。必要なのは「弁護士との相性の良さ」と「丁寧な対応ができるかどうか」です。
弁護士が欲しいのは、多くの仕事を安心して任せられる人だからです。
- 面接のときにアピールしたいことはたとえば、挨拶や報連相といった社会人としてのマナーが備わっている。
- 依頼者・裁判所・他の弁護士など幅広い人に丁寧で感じのよい対応ができる。
- 分からないことがあれば勝手に判断せず、素直に質問できる。
知識よりも「この人になら安心して仕事を任せられる」と思ってもらえるようなエピソードがあれば好印象を与えられます。なお、特別な資格はなくても問題ありませんが、法学部出身だったり秘書や簿記の資格があれば喜ばれます。
仕事内容は事務所によって違うのでよく確認する
そして一番大切な仕事内容について。これは事務所や弁護士によって大きく異なります。
裁判中心か企業法務中心かで、求められる役割が変わるからです。
たとえば、
- 裁判をするのが中心:定型業務が多い(書類作成補助、電話・来客対応、経理補助など)
- 企業法務が中心:臨機応変な対応が求められることが多い
- 事務所によっては車の運転、荷物持ち、会食への同席など
「そんなことまで!?」と意外な仕事を頼まれることもあります。さらに、裁判でも刑事事件と民事事件では進め方も大きく違います。自分がやりたいことと事務所が求めていることを前もって確認しておけば、働き始めてからのギャップに悩むリスクを下げられます。
事務員になりたいなら弁護士会のマッチングサービスを使うのが一番早い
最後にお得情報について。
じつは、事務員の求人情報は転職サイトだけでなく、弁護士会のホームページにも載っています。
弁護士会というのは、弁護士がちゃんと仕事をしているか監視する組織で、全国に存在しています。
もし法律事務所で事務員として働きたいと考えているなら、この弁護士会を使うのがいちばん簡単です。
それぞれの弁護士会では、弁護士と事務員のマッチングサービスのようなものが提供されているからです。弁護士会が事務員を希望する人の履歴書を預かり、それを見た弁護士が直接連絡をしてくるというものです。
一般的な転職サイトと比べてちがうのは、
- 個人情報の扱いがはっきりしているので安心して履歴書を預けられる
- エージェントを介さないので採用までが早い
- サービスの知名度が低いから競争率が低い
特に規模の小さな事務所の場合はたくさん応募が来ると逆に困るので転職サイトに登録していないところが多いです。出かけたついでに弁護士会で探す方が簡単で早いのでよく使われていますが、求職者側の知名度は低いので使っている人が少なく、穴場です。求人を探す際は、転職サイトに加えて弁護士会も活用すると効率的です。
まとめ:法律事務所の事務員は大変だけど未経験から活躍できて、毎日ひとの役に立ててやりがいがある
以上、法律事務所の事務員として働く前に知りたい5つのことをご紹介しました。
法律事務所は個人経営の小さな事務所が多いため、事務員の年収は250万円前後とやや低めです。残念ながら昇給や賞与、退職金などの福利厚生もあまり期待できません。
ですがメリットもあります。
働くうえで特別な資格や法律知識は必要ないので、未経験でもチャレンジしやすいこと。
事務所の受けている仕事が、裁判中心か企業法務中心かで仕事内容は大きく変わりますが、丁寧で臨機応変な対応ができるとすぐに活躍できます。
実際に私は未経験から入って8年務めています。
人の役に立つことを実感できる、やりがいのある仕事です。毎日大変ですが、コツコツ積み重ねるのが好きな人には特に向いています。
実際に情報を見てみたい方には、転職サイトも良いですが、オススメは弁護士会のマッチングサービス(弁護士会によって名前がちがいます)を使うこと。弁護士と直接やり取りできて採用まで早いです。
事務経験を積みたいけど、なかなか良い会社が見つからない…という方は一度法律事務所の事務員も検討してみてはどうでしょうか。楽しいですよ!
もっと詳しい仕事内容、ほかの法律系の仕事との違いなどについては追々書いていくつもりなので、また寄っていってもらえると嬉しいです。
最後まで見てくださってありがとうございました。
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